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クラシック音楽
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沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下) (新潮文庫)
山崎 豊子
出版社:
新潮社
発売日:
2001-11
エディション:
文庫
ページ数:
483
価格:
¥ 700
(税込)
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予見
現在の、JALの状態が予見できる小説です。
この企業風土があるため、改善不可能なのだと思います。
戦後からの経済
戦後からの経済動向や活動などを官・民との係わり合いをうまく表現できていると思います。
組織に蠢く得体の知れないもの。
企業という組織は人間性を変えてしまう性質をもっているようです。一人ひとりと話せば、親切で優しい人であっても、組織の中に身をおくと平然と他人を陥れることができてしまいます。主人公は、労働組合の委員長として職を全うしたがために、企業という組織全体から攻撃をされてしまいます。カラチ、テヘラン、ナイロビ。海外出向は2年という規程を無視して人事は行われます。うさぎ跳び、という言い方を以前はしていました。会社側は辞めさせたい社員に転勤を繰り返し、自ら辞表を提出するのを待つわけです。国内でも、組合潰しの第二組合結成が会社主導で進められ、同じ組合の幹部達は徹底的な差別待遇が行われます。この話は、恐らく昭和40年代頃の日本の企業が共通して体験したものでしょう。第二組合の委員長の中には、その後労働貴族と呼ばれ、経営者以上に影響力を持つような人もいました。企業という組織は、様々な側面をもって、一人の人間に対峙しています。一人の人間を徹底的に潰そうとする一方で、その潰されかけた人を助けようとする人たちも同じ組織に同居しています。昔の企業の物語ではありません。今も形を変え、企業の中で蠢いている得体の知れないものを見たような思いがいたしました。
トルク・リングはいま何処?
最終巻までついにその正体を明らかにしない恩地元、彼の真の正体が垣間見える描写が本巻P.196からP.205にさりげなく織り込まれています、
それはナイロビに到着した恩地と税官吏のささいな衝突、しかし恩地の正体が決定的にあからさまになる衝突です、
当事の発展途上国ならば当然に横行していた税官吏の嫌がらせに怒った恩地は接収されそうなタバコをカートンごと握りつぶし、さらになんとケニヤ国の紙幣を破ってしまうのです、
紙幣/貨幣は国旗と並びどこの国でもその国家を象徴し一定の敬意をはらって接すべきものである、という通常の精神の大人であればあたりまえすぎるような価値観が恩地に欠けていることがここで明らかになるわけです、それもまさに国家の出先機関である税関で紙幣を破る行為がどれほどその国を侮辱するものであるか、説明無用と私は考えますが、恩地の世代はそんなこと考えたこともないのかもしれない、
その後の行動がさらに読者を白けさせます、
警察に連行された恩地はどうにか署長にとりいり事件化を避けるのですが、自分を空港へ送らせた警官にチップを握らせ何をさせたかはぜひ書中で確認してください、(それができるならもっとましな処世をしたらどうなんだ恩地君!)
恩地の心に巣食う沈まぬ太陽という信念は、国旗・君が代への対応で処分されたアカ教員が、これからも戦い続けます、と反省も後悔も決してしないのとおんなじことなんでしょう、
本書で描かれたような労使関係の緊張が存在するような企業/組織の現実の末路はぜひみんなで見届けましょう、
映画が先か、本が先か、どちらでもだいじょうぶ
昨日公開となった映画を見た。原作を読んでから映画を見るとがっかりするとよく言われるが、
よく出来た映画だった。だからと言って映画を見て筋を知ってしまうと本がおもしろくなくなる
かというとそういうこともない。むしろ3時間超と映画としては長いとはいえ、文庫本で5巻と
いう長い小説ではどうしても取捨選択してはしょわらずを得ないので、映画を見てから読むと映画
で描写できなかったディテールが分かり、面白さが増す。
この本で扱った航空会社は政権交代もありほぼ公的資金注入が決まった。本と映画で描かれた
官的体質のゆえである。映画制作の構想・企画は政府による再生が明らかとなる前であったはずだ。
その時機を得た先見性には脱帽だが、10年も前にそれを見越したような予見を内包したこの本は
すばらしいという言葉を超越している。山崎豊子おそるべしとしか言いようがない。映画と本、
双方お勧めですが、映画にはハンカチが必携です。
「白い巨塔」で育った者の読後感です。
by 左門 新
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